はい。
久々の登場はアスファルトです。
暖かい12月の午前中。
すっかり芽を出してしまった水仙の球根をあわてて土に埋めています。
久しぶりに週末を田舎で過ごしました。
朝起きると庭がぬれています。
空もどんより。
ひらばー
(注:枚方在住の主人のお母さん。子どもたちが名づけました。
ちなみに今は比良に仮住まい中なので 比良ばー と書かなくてはいけません。)
ひらばーいわく、毎日朝はこんな様子で、
10時ごろから晴れるそうです。
毎日露で光る山の葉っぱたち。
都会は乾いているんだ。
じゃ~ん
ほんまや。
すんごいお天気です。
水仙を100個ばかり植えると汗がでてきました。
(まだ半分なんですけど…。)
石がごろごろした砂地、これがこのあたりの土です。
比良山系の谷を下ってきた土石流が堆積したと思われます。
それにしてもなんでアスファルト?
最初の写真のヤツです。
どう見てもアスファルトでしょ?
ごろごろでるんです。
30年ほど前に別荘地として分譲されたので、
業者がアスファルト混じりの土で整地したのだと思っていました。
今日はめずらしいお客さまがありました。
めったに人の来ないこのあたり、地元の人、道に迷った人、
宅配、生協意外に今までお越しになったのはこんな人でした。
スズメバチの子供を食べるおじさん
古い地図を持って、自分の土地がどこにあるのか尋ねてくる都会の人 などなど。
今日は中年の男女1名ずつ、なんやら地図をながめて開口一番
「このへんにたたらの遺跡はありますか?」
「えっ?」
「たたらです。アスファルトみたいなんが見つかりませんか?」
「は、はぁ…。たた..?」
急に言われても頭が回転しません。なんの話?
しばらくして頭にジブリの映画が浮かんできました。
(私の頭には湯ば~ばの風呂屋のかまどだったんだけど… )
「ほら、もののけ姫の!」
「あ~、たたら。鉄を作る所ですね!。」(ここで軌道修正)
「製鉄用にフイゴが作られる前はね、自然に強い風が吹くところにたたらが作られたんですよ。この辺りは風が強いでしょう。」
確かにしょっちゅう電車が止まるくらい強い風が吹く。
文明が発達しようが太古と同じ風が谷を下ることは想像に難くない。
ただし、この谷の風の道はうちから50mほど離れたところを通っている。
「でも、ここは山の陰で風の道じゃないんです、向こうの谷筋でしょう?」
そこで持参した地図をみせてもらう。
「ほらね、たたらの遺跡、と書かれているのはあのあたりです。少し離れただけで風の具合が全然違うんですよ。」
「そうですか。じゃ、あっちへ行ってみます。」
ふ~ん。
たたらだったんですか。鉄を作るときに出たものなんですねこのアスファルト。
どんなふうに出るのか聞いとけば良かった。
と思ったのは後の祭り。
ま、帰ってネットで「たたら、製鉄、アスファルト」と検索したら出ましたけどね。
フイゴができるもっと前の時代っていつごろなんだろう。
大きなたたらだったんじゃないかな。
きっとたくさんの人が上半身はだかで熱~い炉の前で働いてはったんでしょう。
思わず見上げた青空はあんなに青かったんです。
汗まみれの職人さんの見上げた空も同じだったに違いありません。
(写真を撮り忘れたのでこれは1カ月前の夕暮れ)
思わずワンコといっしょに草の上に腰をおろして
雲ひとつない琵琶湖を眺めました。
たたらの職人もきっとこの空気を吸ったことでしょう。
今日の迷い人は10年の謎を解き明かしてくれる夢の配達人だったようです。
にくったらしいアスファルト。
今度からは古代と今を結ぶ架け橋だね。