デジタルな世界の拡張が、実世界をいよいよ変えていきそうな2018年、平成30年となりました。
変化はどんどん加速し、数年前には新しかった「クラウド」という言葉も、今はもう当たり前すぎて意識すらしない。 AIの発展はすざまじく、人の手を離れて学習が進むシンギュラリティも予想以上に早く現実のものとなりそうだし、ブロックチェーンなど、聞きなれない言葉の解説が理解できるころには、もう世の中が音を立てて変わり始めるのではないかと思われます。
そんな時代に、小さな英語教室に何ができるのだろうと考えてみました。
一つの答えが、オーガニックな学びです。
オーガニックとは、農業や産業的側面からは、化学薬品を使わなくて、身体に良いものという定義になるかと思います。けれども、無農薬、自然農法で微生物や他の生物との協調で家庭菜園をしていた自分としては、オーガニックであることは「つながり」に他なりません。 個々の要素が自然に時間をかけて、必然的に繋がって全体を形作っていくことなのです。
英語学習を一本の木に置き換えて見てみると、単語を覚えることは「葉」に当たります。文法という「枝」で思考する「幹」に繋がり、それを支えるのは経験や人格といった「根」なのです。だから、単語をいくら覚えても、英文は読めません。 辞書を引いても長文が読めないのは「枝」で繋ぐ力が無いからだし、エッセイが書けないのは、「幹」「根」が育っていないからです。
このように一本の木が自立していることは、英語習得の上でも重要なのですが、今という時代を考えると、他とつながっていることが大切になってきました。未曽有の世代に人間に求められるのは、正解のない問題に答えていく力で、そのためには問題を自分で見つけなければいけないし、出来ない事を開示して他者と力を合わせなくては解決できないからです。
英語教室ですから、ちゃんとエッセイの書ける人を育てるのがまずは対価をいただくポイントだと思うのですが、昨年あたりから、実はそれと同じぐらい大事なのが、自立した学習者を育てる事ではないかと考え始めました。
昨年は『学び合い』(二重かっこの学び合いと読みます)の西川純先生からお話を聞く機会に恵まれました。まさに学びを教えるという考えを広めてきた先生です。実技科目的な要素の強い児童英語に、どのように効率的に応用していけるか、まだまだ実験段階ですが、本年も探求を続けていきたいと強く願っています。
西川純先生の本は多数出版されていますが、こちらは学校で『学び合い』に取り組んだ先生たちのエッセイ集です。