大事な場所

 
お、わしの出番か。
今日は笑ろてるで。めずらしいやろ。 
やさしいお姉さんたちがたくさ~ん遊びに来てくれたんや。
夜はちょっと「男」っぽいこともしてみたで。
楽しかったなぁ。

3月31日~4月1日にかけて、おかあちゃんのお友達4人の
英語の先生たちが遊びに勉強しにきてくれたんや。
当日の天気は残念ながら雨がちやったけど、
みんないいとこやと気に入ってくれた。
わしも去年の5月からこの家のコになったけど、
ここに来るとテンションあがるで。
普段は違うとこに住んでるさかい、
別荘、とかいうらしいわ。

な、おかあちゃん、そうやろ?

と、昔のことはご存じないゴードン君にここのお話をしてあげましょう。


先生方、(Kさん、ここに写ってません、ごめんなさい。)
はるばる勉強会にお越しいただき、ありがとうございました。
おいしい空気と、今年もそろそろ終わりにしたい薪ストーブの暖かさ。
大変楽しい時間でしたね。

すっかり別荘と呼ばれてもおかしくないたたずまいの
我が家の田舎のおうち、夏は別の表情を見せてくれます。

ここに縁ができたのは2000年のことでした。
まだデジカメもなかった時代に、同じ角度でとった写真がこれです。

今は芝生を張った運動場のようなお隣の土地もうっそうとしたジャングルで、
境界線も、道も、イバラと灌木が生い茂っていました。

「有機物は最後には土に戻って栄養になるから、宝の山や。」
と目をきらきらさせて入植開始。

それ以来、週末は開拓の日々をすごしました。
チェーンソーやツルハシをいつくも壊し、
週末にできたひっかき傷がいえる頃、またやって来る。
その繰り返しでした。
樹の根を引き抜くのは力の強い夫にしかできません。

この子たちも今年は就職する年になりましたが、
最初は我が家にテントを張って、谷川の水で飯盒飯の日々が何年か続きました。

2003年には家族や子どもたちの友人で小さなログを手作りしました。
衣、食、住(shelter)。 家のありがたさが身にしみました。
電気が通って、電灯の明るさに感謝。

でも、冬は毛糸の帽子をかぶらないと、寒くて寝られません。
谷川の水で食器を洗うと手がかじかみました。
トイレもままならない暮らしですが、週末が特別な時間なのは変わりませんでした。

葉っぱが青い間は、毎週草取り、草刈り。
冬は池や畑、花壇をつくります。
これが今も変わらないここでの生活です。

4年前、条例の改正により永住用の家を建てなくてはいけなくなりました。

よく、田舎暮らしの本には自宅を手作りするレポートがありますが、
私たちの作ったログはゴルフボールが転がる欠陥住宅(?)。
平日に仕事を抱えた私たちには、期限までに手作りというのは無理でした。

あるメーカーのマシンカットログを依頼しました。
ロシアから来た大工さん4人が泊り込んで、
人力だけで建ててくださったのが今の家です。

裏のもと大工のおじちゃんが感心するぐらい、よく頑張ってくださいました。

こうして、今は随分立派な別荘の感がある我が家です。
暖かい木の家には薪ストーブが、
水洗トイレとお湯もあります。

10年の間に
山が荒れて、柵を張っても猿や鹿、猪、ウサギが庭にはいって来るようになりました。
「有機物は、宝の山。」と考える「パーマカルチャー」で、自給自足をめざそう!
と頑張ってきた私も、花さえすっかり芽を食べられてしまう状況にはてこずっています。

でも、10年の間に、
たくさんの人が遊びに来て、いい思い出を作ってくれました。

動物に盗られない収穫もあります。

草木、雨風、太陽、土、水。
たくさんの生き物たち。
それなくしては人は生きられないのです。
環境保護を語る前に、それを愛さなくてはいけないと思うのです。

10年間作り上げてきたものを、もっといろんな人と共有する時期が来たようです。
パーマカルチャー実践はままなりませんが、ビオトープに住む心地よさは
人の心に自然への親しみを呼び起こすに違いありません。

季節ごとに表情を変える里山の暮らし。
生徒さんや、ほかの教室の皆さんにも、ぜひシェアしていただけたらと思います。

みなさんのお越しを、心よりお待ちしております。

大事な場所” への5件のフィードバック

  1. *chico*さんのブログの、ゴードン君のトライアルの記事の中で、イギリス風のお庭のある週末の家!と見て、ステキだなぁと思っていました。
    ご家族で開墾された、とても思い入れのある大切な場所だったのですね!
    一緒に写っている柴ちゃんが先代のワンちゃんでしょうか?
    今日のゴードン君は、笑顔がとても可愛くてどんどん若返っていくようですね。
    ゴードン君や奈津は、お互いのこと覚えているのでしょうか。
    いつかお目にかかれるのを楽しみにしています^^。

  2. すみません、最初の1行が抜けてしまいました。
      こんにちは、初めてお邪魔します^^。
    と書いていたつもりでした。

  3. なっちぇる母さま
    ブログにお越しいただき、ありがとうございます!
    振り返りながら、自分でも色んなことを思い出しました。本当に大切な場所です。
    この前のDSSCの同窓会の場所に立候補しようかと思ったんですが、「垣根に隙間が無い」と言える自信が無かったのでやめときました。
    いつかは皆さんをご招待したいです。
    先代ワンコのコンは開墾の10年をずっとつきあってくれました。今はチョコレートベリーの木の下で眠っています。
    実はコードンの正式譲渡でDog’s Smileさんへ行ったとき、奈津ちゃんがケージの中にいました。
    すぐに永住の地を見つけた奈津ちゃんを目撃した、数少ない家族、それが我が家なのですよ。
    きっと毎日すてきな日本庭園を歩きまわってるんでしょうね。
    暖かくなったら、ぜひどこかでお会いしましょうね!

  4. 初めまして!*chico*さんのところからたまたまジャンプしてきたOです。
    あちらこちらに引き込まれながら読ませていただきました。わんこ、パーカル、そしてスカラスティックのブッククラブ!! な、なつかしい。。。実はうちには古い英語の絵本がたくさんありま。。した。小さな小さなインター校のライブラリー処分本を引き上げたのですが、子供が大きくなるにつれて自分の読書も読み聞かせからも遠ざかってしまい、ある時一気に手放してしまいました。
    もっと早くお知り合いになりたかったです!!
    いつかお会いできますように♡

  5. Oさん、ブログにお越しいただきありがとうございます!
    ん~、興味深々です。
    わんこ, 英語、パーマカルチャー、ここまで共通点のある方は初めてでございます。
    まさか水泳が趣味?そこまで行くと怖い。
    まさか生き別れた双子の…?
    (いやいや歳がちがうやろ。)
    私、Oさんを知ってますか?
    (知り合いたかった、ということはまだということですよね。ちゃんと読め! …フフフ。自分でボケて自分でつっこむという技をchicoさんから盗みました!)
    いつかどこかでお会いできるのを楽しみにしております!

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