…ないもの。

投稿日: カテゴリー: 読書日記

Things Not Seen
Things Not Seen
Andrew Clements
ある日目覚めると、姿が消えて透明になってしまった少年のお話。 
突然姿を消したことで両親は虐待を疑われてしまいます。
真実を明かせば、軍や悪い人たちの注目をも集めることになるし、果たしてもとに戻れる日はくるのでしょうか。


姿の見えないRobbyの心のよりどころとなるのが、失明して失意の中に生きる少女Aliciaです。 二人の勇気ある行動が原因解明の糸口を導き出しますが…。冷や汗
ショッキングな設定から始まり、早い展開にどんどん読み進め(Audio Bookで聴き進め)る本です。多読の停滞を打ち破ってくれました。
本続編となる Things Hoped For は舞台をニューヨークに移し、音楽院への進学をめざす少女Gwenが主人公となります。 入学試験を目前に身を寄せている資産家の祖父がなぞの失踪。ふとしたことで知り合った同じく音楽家をめざすRobby と二人の前に、なんと新たな透明人間の影が…。びっくり
こちらは途中からぐっと展開が速くなり、引き込まれました。
Aliciaもいい感じで登場。 ぜひ2巻あわせて読みたい本です。
ところで 
途中失明者の Alicia は、見えない自分の将来に大きな不安を抱いています。そんな彼女だからこそRobbyを救えたのですが、人間は80パーセントの情報を視覚から得ているといいますから、無理もないことです。
途中失明者
という言葉が浮かんだのは、辻井伸行さんがバン・クライバーン ピアノコンクールで優勝、というすばらしいニュースがあったからです。拍手拍手
生まれたときから「見る」ことを知らない辻井さんの世界はどんなものなのでしょうか。きっと音や香り、味、手触り、などが色鮮やかな世界をつくっているのだと思います。
特に音はとてつもない広がりで辻井さんを包んでいるのではないでしょうか。
生徒さんの一人で、ずっとピアノを習っていた人がいます。
音符を読むことが苦手だった彼女は、聴く、ことを強いられる時間が長かったそうです。その結果、彼女には「絶対音感」がそだちました。傘が柱に当たる音を 「xx調のxxの音ですね。」と感じられる彼女は、まるでもう一つの言語を操る人のようです。
そういえば、ある著名な昆虫か、植物の研究者の方も、
「自分は体が不自由だったので、ひとところに座って自分の周りをじーっといつまでも監察する子供時代を送った。」
とおっしゃっていました。
不自由であるということは、時に大輪の豊かな花をはぐくむのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です