Teaching Materials / 教案

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こんな教え方をしています

英語を教えている先生方のヒントになれば、と解説したページですが2024年現在、教案構成もすっかり変わりました。YouTubeでサトマイさんが、「繰り返しのない反復」という表現をされていましたが、語学の習得はまさにこれをどうデザインするか、だと思います。

「先生が教えない授業」学びを学習者の手に渡す。これが変わらぬEnglish Roomの目標です。けれど、生徒へのサポートはやはり必要です。

過去の自分の工夫を見てみると今でも使えそうな工夫が一杯ありますので、記録として残しておくことにしました。よろしければ皆さんの教室やご家庭でもご利用ください。
学習のヒントになれば嬉しいです!

多読を応援する工夫

Reading の力

(2024 改定)

Kids A-Z

デジタル技術の進化とともに多読も変わってきました。現在は、KidsA -Zを利用して基礎力を育てています

アプリを利用してログインすれば、スマホ、タブレット、パソコン、で購読できます。読みモードでは読めない文字の音声を教えてくれる。意味が分からなければ、グーグルレンズでその場で和訳できます。

かつては「英語を音声化する」「意味を理解する」の両方を完全に抑えないなんちゃって多読の心配がありましたが、技術がかなりをカバーしてくれるようになりました。

先生の役割は、生徒さんに読書でつく力(字を読むこと、意味をわかること、素材に興味を持つことなど)を実感してもらうことでしょうか。また、冊数が多いので、読むべき必須図書の選定も必要だと思います。

紙の本

多読図書の蔵書は数千冊あるのですが、音声をどう聞くかが課題です。簡単なものは、Kids A-Zで自分で読む力が付けば紹介できそうです。また、デジタル化できる素材については、自分のクラウドに上げて、教室備え付けのタブレットから生徒さんに聞いてもらうのが使い勝手が良さそうです。

現在アップすべく作業中です。

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以下はかつて教室で使ったゲームの記録ですが、「タイパ」Time Performanceの視点で今は使っていないものも多いです。

逆さ読み防止具?

(2008.7.3)

これはオリジナル教材ではありません。どこかで見て試してみたら効果大だったので紹介します。

学校で英語を習ってから教室に入ってこられる生徒さんは、ほとんど「和訳をすることが英語の勉強だ」と思い込んでいいます。英文を読んだ後で、主語を訳し、後ろから日本語に置き換えていく。できた日本語から英文の意味を知る。これでは英語が読めているとは言えません。で、この装置?です。

  • 英語を頭から読んで、順番に即頭に入れていく。後ろから訳しながら戻らない。そのために、紙の真ん中に1フレーズ分ほどのスペースを切り抜いた紙を渡し、穴の中の英文だけを左から右への一方通行で読みます。
  • 1フレーズの切れ目がわかりにくい時は、まとまりごとの和訳をしたり、質問をするなどヒントを出してあげます。例えば次のような文なら、

Mr.White wanted to drink a glass of whiskey, but someone who looked like the tough guy was sitting in his seat.

Mr.White wanted to drink 「なにしたかった?」「飲みたかったんやね」
a glass of whiskey, but「何を?」「ウイスキー1杯か」でも、
someone who「どんな人?」「だれかが、でその人っていうのは…」
looked like the tough guy「えっ、タフガイに似てるんや」
was sitting in his seat.「その人がどうしてたって?」「そのひとが席に座ってはったんや!」

これは、英語の発想のまま頭にいれるのを目標にしている例なので、短い単位のフレーズも日本語に直していますが、英語から直接絵が描けるなら、和訳はせずに質問だけで済ますほうがいいし、切れ目を指摘するだけでいいならできるだけ本人のペースで前に読んでいくのがいいです。

何人かに試したら、この方が英文が簡単に思える、ストレスなく読めるとの反応でした。しばらくすると、こんな仕掛けなしでも逆さ読みはしなくなります。



文法強化のゲーム

ちびまる子ちゃんとかけて、人称代名詞と解く

(2008.10.3)
かわいいファミリーのフィギュア。男性と女性の区別がはっきりしたおもちゃを次のように使います。

次のようなパターンを設定して、指差しながらできるだけ早くいいます。

  • 後ろの人が前の人を知っている。
    He knows her.
    She knows them.
    They know him.
    He knows them.
  • 後ろの人が前の人を嫌い。
    He doesn’t like her.
    She doesn’t like them.
    They don’t like him.
    He doesn’t like them.
  • 自分がまるちゃんのおばあちゃんのつもりで、前が好き。
    He likes her.
    She likes us.
    We like him.
    He likes them.
  • 一人のところを自分にすればIや、meが使えます。
  • 先生をyouと呼ぶこともできます。

主格と目的格の使い方、三人称単数のs、などが実態を伴って理解できます。(実態を伴わない落とし穴については、Bonnie’s Blog、10月2日に紹介しています。)

速く言ってみてください。普段英語を使わない人にとっては、以外に難しいですよ。

ネコババ!

(2008.9.26)

10年以上前に作ったEnglish Room 定番ゲーム
猫のカードがババになるからネコババというババ抜きです。
There is a cat in the bag.
The cat is in the bag.
等の表現を、よく使う前置詞とともに定着させるのがねらいです。

3単現、さあどうする?

(2008.8.6)

どの教科書でも2学期には三人称単数現在形がでてきますね。中学校から始めた人が急に英語がわからなくなる曲がり角、なんとかここを乗り切るための一つの方法です。

松香フォニックスの文法ゲームの本で紹介されている[嫌いなものゲーム」が原案です。カードの内容を変えて、BBカードブランクカードに印刷して使っています。オリジナルで「好きなものゲーム」バージョンを作って遊んでもよさそうですね。 生徒はなぜか、どっと並んだいやなもののオンパレードに目を輝かせてくれますが…。

  • 遊び方
    嫌いなものの書かれたカードを机に広げる。
    生徒は輪になって順番に自分が嫌いなカードを取っていう。
    (言ったあと、カードは自分の前に伏せる。)
  • 3人の場合
    S1(girl): I don’t like broccoli.
    S2(boy): She(S1) doesn’t like broccoli, and I don’t like homework.
    S3(girl): She doesn’t like broccoli, he doesn’t like homework, and I don’t like math.
    (2周目)
    S1: I don’t like broccoli, he doesn’t like homework, she doesn’t like math, and I don’t like cockroaches.

嫌いなものが何だったか忘れてしまって言えなくなったら負けです。

  • ゲームのバリエーション
  • 勝負色を和らげたい時は、「みんなで何周できたら合格」などの目標を決めてもよい。忘れた人に対してジェスチャーでヒントを与えるのはOK.
  • 先生が入り、生徒からは you で呼んでもらう。
  • ゲームの効果
    圧倒的な繰り返しにより…
  • don’t / doesn’t の使い分けがわかる。つまり3人称の本質がわかる。
  • doesn’t likesのような誤用を聞くと変な感じがする。
  • 可算名詞、不可算名詞の違いが理解できる。
  • English Room では
  • 特に中学から英語を始めた人には夏休みにこのゲームが必須と考えています。中学生には文法的説明をします。
  • BBカードを使っている小学生もたまに遊びます。
    Willy doesn’t want to get wet.なんて難しい文章に慣れているのですから。
  • いづれの場合も、言い方を間違ったら訂正はしますが、アウトにしたり叱ったりましません。繰り返しの中で、正しいものが何なのかに気づく、その力を大事にするBBカードのアプローチを尊重したいのです。
    でも、十分に慣れたら、言い間違いもアウトにしましょうか、特に中間テスト前にはね。

中学生向き、文法強化のババ抜きゲーム。

BBカードの64のセンテンスから応用しました。 中学1年、2年生で一般動詞とbe動詞がうまく使い分けられないという問題解決のためのゲーム。

文法ルールを板書して、問題集を解いて、でも定着しない、そんな時にはゲームで繰り返すしかないでしょう。松香フォニックスで見つけたold maidゲームがベースです。
  • 使用例
  • 基本編
    上の写真のカードのほかに、
    Bee can see rainbows in summer. / can
    It takes 1 hour to make tomato soup. / does
    These apples look good./ do
    It’s sunny today. / is
    Betty Botter bought some cheese. /didMr. Celery was having a light meal./was

など、文とそれを疑問文や否定文に変えるために必要な助動詞(ERではお助けマンと呼んでいます)をペアにしたカードをBBカードの裏ブランクカードに印刷します。もちろん手書きもOK.
ババを混ぜるか、1枚ぬいてジジ抜きでゲーム。

It takes 1 hour to make tomato soup.
の場合、does のカードと一緒に出すわけですが、その時声で

Does it take 1 hour to make tomato soup?

と、take を原型にすることを確認します。

お助けマンが文中に見える形で存在する場合はピンク色をつけ、ない場合(do,does,did)は、動詞を赤くしてヒントを与えています。

  • 応用編
    さらに進んで、下線部を問う疑問文を作るよう促します。

    How long does it take to make tomato soup?
  • もっと応用
    間接疑問文に直すこともできますよね。

    Do you know how long it takes to make tomato soup?

なじみのBBカードのセンテンスからの応用ですから、文に親しみがもてます。(以前は地元で採用されているNew Horizonの教科書中の文を使いましたが、4年で変わるので不便でした。)

私は2008年5月現在BBカード導入3年目ですが、小学生からBBを始めると「天使と悪魔」というゲームで、このババ抜きの基本編に相当する文法には中学入学前に十分触れることができます。BBは学校英語対策として非常に有効たど感じます。

劇的Before After 、Wednesday 並べ

(2008.11.9)

7並べを曜日にアレンジしてWednesday並べです。日曜日から土曜日までのカードを色違いで4セット作りました。ばばを入れるとゲームとしてより複雑で面白くなります。

  • 遊び方1
    ある色のWednesdayを出した人から順番に出していく。
    場に並んだ同色のカードを全部読む。(週の途中からでも曜日が言えるようになります。)
  • 遊び方2
    たとえば火曜をだすなら”Tuesday comes…”といいながらカードをだす。
    Wednesday の上に ”before Wednesday.” と言いながら置く。
    木曜なら、 ”Thursday comes…” “after Wednesday.”となる。

このゲームを応用すると、
「私は顔を洗う前に朝ごはんを食べます。」がうまく言えない中学生に接続詞としての before/ after をわかりやすく教えることができますよ。 ダウンロード専用のページに詳しい説明をいたしました。


このゲームには、続編として「一日の動作」で構成されたトランプカード形式のゲームを作成中です。(2009.7.10)

学校英語を教える工夫

中学検定教科書を多読的に教えるには。

(2009.2.5)

多読といっても、皆が本をたくさん読んでくれるわけではありません。読め、と強要したくはないし…。そこで、中学校の教科書を扱う方法を工夫してみました。

教科書の致命的欠点は英語量の少なさ、そこであの手この手で扱う量を増やすのです。 その際、難易度を急に上げずに誰にでも「分かる」感を持てるようにするのがポイントです。ちなみに私はNew Horizon の各ユニットに対して、Comprehension Check Sheetと呼ぶこのシートをつくるようにしています。

  • こんな切り口でボリュームアップ
  • True or False?
  • Which is true?
  • Choose right pronouns.
  • Fill in the blanks.
  • Find a wrong word and correct it.
  • Cause and Result
  • Answer the questions about the story.
  • Answer the questions about yourself.
  • Comprehension Sheetの例
    Bonnie teaches English. As she finishes her class lete in the evening everyday, she always goes to bed after midnight. It is very difficult for her to get up early in the morning. She often fails to take the garbage out for garbage collection. Now she is seriously afraid that her house will be ''Gomiyashiki'' someday.

    (From True Stories about Bonnie)

  • True or False?
    Bonnie finishes her class late in the morning.
  • Which is true?
    She goes to bed after midnight.
    She teaches English after midnight.
  • Choose right pronouns.
    Bonnie finishes (my, your, his, her, its) class late.
  • Fill in the blanks.
    She is seriously ( ) that her house will be Gomiyashiki.
  • Find a wrong word and correct it.
    It is easy for her to get up early in the morning.
    She always fails to take the garbage out.
  • Cause and Result(Connect the sentences.)
    Bonnie’s house will be Gomiyashiki・
    Bonnie goes to bed after midnight・
    ・because she finishes her class late in the morning.
    ・because she fails to take the garbage out.
  • Answer the questions about the story.
    What will be filled with garbage someday?
  • Answer the questions about yourself.
    Do you go to bed before midnight?

これは設問の一例で、もっと色々作れますよね。
重要な文法やイデオム、進出単語を含む問題をたくさん取り入れるとテスト対策にもなります。
一年生レベルの英文から常にこういうアプローチで英語の理解を確認していくと、和訳しなくても英語の内容を読み取る力が自然につくように実感しています。
関連したブログ記事を読む



授業の最初と最後、短い時間にできること


コラボでやってみよう!
Genga とBBカード 

ご存じJengaというスリル満点のゲームとBBカードのビンゴ合体計画。

  • 使用例

基本ビンゴの形に絵カードを並べ、Jengaから一本チップを抜きます。 チップにはフレーズが英語/日本語で書かれています。

たとえはダイヤモンドのビンゴに、on businessのチップが出たら、

Mad monkey made a lot of money on business in many ways .
(どんな商売したのか興味ありますね。)

というような文を作れります。文のできたカードをプレーヤー全員が裏返していきます。(No
Leader Bingoの要領です。)
次のプレーヤーがチップを抜き取る間、かなり余裕をもって文がつくれます。
by ten years のように、他のカードと合体できない場合は残念ながら裏返さずにパス。 何枚残りまで読むかはJengaの進行によりけりで臨機応変に対応。

ちなみに昨日の予行演習では、こんな文ができました!?

Happy Henry has gone to Hawaii to meet his parents
(+ on his way home).(帰り道にハワイへ行っちゃうなんて、行動力に脱帽!)

Peter Piper peeled a pink peach (+for supper) this morning.
(食べるころには桃は茶色くなってたやろなぁ、と思わず突っ込みました。)

フレーズの入った段階でにさらにフレーズを足す、というアイデアはBBNewsで紹介されていた口慣らしゲーム集からヒントを得ました。Jengaを使わず、Phraseカードを用いても同じような効果は見込めますが、100均で買ったJengaが使いたくて…。 
生徒ともどもゲームに夢中になりすぎて英語がどこかへ行っちゃわないように気をつけます。

レッスンの最初のあいさつに続きQ&AでWarming-up。

コーンの中に同じレベル、又は異なるレベルの
質問やコマンドを書いた紙を入れておきます。
生徒分よりたくさん用意して、キャンディーなど入れておくと
選ぶスリルがあって盛り上がります。

テストではないので、答えられない時はヒントや正解をどんどん与えてリピートしてもらうのが大事ですよ。

  • 使用例
  • 初級編
    コーンに「先生に今日の天気をたずねよう。」などの質問をいれておきます。
    最初に”How’s the weather today?”など、今日求める質問をすべて使ってQ&Aをします。
    生徒にコーンを選ばせ、英語で質問するように言います。
    「正解をさせる」より、「ちょっと使ってみようよ。」の気持ちが大切。
    必ず正解は示してリピートしてもらいましょう。
    先生が違う生徒に “How was the weather yesterday?”
    など応用の質問をふると退屈しないし、自然と過去形にも触れられますよね。
  • 上級編
    コーンに、英検3、準2、2級の2次試験で出される課題を入れておきます。生徒の答えに対してさらに質問したり、他の生徒の感想を聞いたりします。

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