教室では小学校1年生以上の生徒さんが学んでおられます。今年は低学年のクラスが複数あって、毎回発見が楽しいです。
一般的に年齢が低い方は「音をキャッチする」力が優れています。「音と文字の関係」を学ぶフォニックスは年齢に関わらず必須のレッスンですが、年齢に応じてアプローチ方法は変わります。理論的理解力がある高学年に比べ、低学年では遊びとして繰り返せるのが強みです。
アルファベット26文字の基本音を、チャンツ・カード・アクションを使って遊んでみました。例えば[n]の音には忍者が採用されています。 “n, n, ninja!”と言いながらポーズします。英語では、n の音はひとつです。ベロの先を上の歯の生え際あたりに付けて、鼻から息を抜きます。一方で日本語の「ん」の音は複数あります。日本語ネイティブは普通、このことに気づいていません。
あんこ あんにんどうふ おかあさん この3つの言葉に出てくる「ん」は全て違う音です。一番驚きなのが「おかあさん」の「ん」で、実は息を切ってるだけで発音はしていません。これが問題になるのが英語の数字の発音です。
one seven nine ten これらの数字は最後が n で終わります。なので英語では[n]と発音します。一方、日本語話者は最後の「ん」は通常発音しません。
「今日は英語で1〜10を言えるように練習します!」と言った時の生徒さんの反応は、予想通り「そんなんもう知ってる!」でした。チェックしてみたら、やはり語尾の[n]は発音されてません。
正しい発音を真似てもらうと、かなりの生徒さんが聞いただけで語尾の[n]まで発音できました。「最後に忍者の[n]がある」と説明すると、みんな発音できました。そして、「他にも最後に忍者がいるよ」と言って、子供向けYouTube動画でネイティブさんの1〜10の発音を聞いてみると、「忍者いた!」と次々に発見できました。
日本語話者が oneと言わず、「わ」みたいな発音をするのに、英語話者が違和感を持たれると聞いたことがあります。昨今、「英語ネイティブそっくりに発音する必要なない」という考えが主流ですが、あまり癖のない発音をする方が、気持ちよく伝わると思います。そんな音が無理なく学べる低学年の生徒さんですから、その力を大切にしたいものです。