単語を覚える

高校生のクラス

今日もレッスンそこのけで、生徒さんが覚えています。単語を、熟語を、構文を。明日がテストでそれをしたいというのが生徒さんの希望ならそうしてもらっています。

ただ覚えるだけなら、テストが終わって大半は忘れるでしょう。そこに抗いたい。ということで、「覚える」を掘ってみました。ちょっと気づきがあったので書き留めておくことにします。

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英検準一級を目指しているA ちゃん。日本語の対訳と例文が書かれたタイプの単語集を購入して覚えようとしていますが、頭に残っているものと、残っていないものがあるそうです。どうやら訳語の日本語の意味がわかるものと、日本語の意味が分からないもので違いがあるみたいです。

J: 例えば invest ってさ、「投資する」やけど、投資ってどんなことか分かる?

A: 株を買うとか、かな?

J: うん、そうやね。あるものや人にお金を出してそれ以上の見返りを求める行為、みたいな感じかな。

高校生の彼女にはもうひとつピンと来ないようです。

そこで、文脈の中でなら意味もはっきりするんじゃないか?ということで実際にパッセージを読んでみることにしました。2018年第1回目の問題から、彼女が比較的読み取れたという文を見直しました。

読み取れた割に、正解率はゼロ!?なんでやねんということで音読してもらいます。構文の理解に問題がないことは聞いていて分かりました。そこで細かく意味を確認していくと、demonstrateという語に誤解がありました。彼女はいわゆるプレセンに当たる意味の「デモ」と解釈していました。この文脈では、「示す」というのが正しい意味です。新たに解釈し直すとすっきりと意味が取れて自然に正解が選択できました。

単語集を見てみると、ちゃんと両方の意味が書かれていました。でもしっくりと理解できてなかったので頭には残っていなかった。今日で彼女はdemonstrateを気持ちよく理解したので、もう頭に入ったと思います。英語を日本語に置き直す作業にはそれなりの意味はありますが、それが「理解」には結びつかないということです。そして理解できていないことは頭に残らないのです。

彼女は高校生になってから学校で「暗記」ばかりを強いられて、そこに膨大な時間をかけています。今日はパッセージから学ぶ心地よさを感じてくれたようで、これからは長文を読みたいと言ってくれました。難しい構文を自然に取れる力を持っているのだから、これから伸びていけると思います。

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「覚える」なんて、結果であって目的では無いです。初心者の段階ならとにかく覚えるという部分も多々あるかもしれませんが、英語で思考できる回路があるんだったらパッセージの内容に集中した方が効率がいいのではないでしょうか。

毎日論文漬けでレポート書いていたら、孫のいる私でもcongruent ,continuum, dichotomyみたいな単語だって覚えちゃうものです。むしろ、内容の難しい単語で書かれた文章を読めていることを誇りに、自分に必要な「読む」力をつけていきたいし、語彙は結果として自然に増えるのではないでしょうか?

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