NHKで、世界的食糧難の特集をしていますね。
温暖化や人口増加が原因ならば、資源小国の日本にとってただ事ではないのですが、周りを見回すとスーパーへ行っても食材は豊富にあります。確かに値上がりはしていますが、無駄を省いた食生活でまだまだ対応できる範囲と思われます。
私は環境保護団体の事務局で働いていた関係で、20年近く前からこうなることを耳にしていました。その当時、20年後には世界的飢餓が始まる、とのことでしたからバイオ燃料の台頭という予想外の展開があったとはいえ、言い得ていたことになります。
バブルを尻目に、小さな個人にできることはないのか、頭を離れませんでした。
今日は私たちにもできる自衛策?3部作(トリロジー)の第一弾です。
キューバという国はカストロ議長をトップに長い間社会主義体制を続けています。そしてアメリカに経済制裁を受け、一時深刻な食糧不足に陥りました。しかし近頃では、自給率100%の国として注目を集めています。
基本的に国有の土地を、[耕した人の所有物として認める」という大胆な議長の政策には驚きましたが、印象的だったのは個々のお家です。 庭には所狭しと果樹や畑があり、鶏、ヤギなどの小動物が飼われています。徹底的[自給自足」への取り組みがかぎのようです。そりゃ、入ってこないなら自分で作るしかないよね。
植物と動物と人間はゴールデントライアングルです。
街中のごく普通の住宅地の我が家では、[パーマカルチャー」の考えを取り入れて消費だけでなく、すこしでも生産可能な暮らしを求めています。
英語教室へのアプローチ周りには、さくらんぼ、甘夏、グミ、ブドウ、びわが植わっています。教室の入り口にある小さなログ小屋は烏骨鶏の小屋です。庭は日当たりがないので、物干し場がコンテナ野菜栽培所です。家の裏にはミミズを使った生ごみを堆肥化する場所があり、そこから生えたキーウィの木が屋根を覆っています。ブドウやキーウィは夏にはかげをつくり、冬には落葉して日光をそそぐというPassive Solar Systemでもあります。
また、肥料には生ごみ堆肥、鳥のフン、のほかに庭の池にいる10匹の亀の排泄物を利用します。かくして、猫の額から結構な量の果物がとれます。
果樹以外の庭木を剪定したものは借りている畑の畝にひいておくと、ミミズが良好な土に変えてくれます。
おばあちゃんから聞いた戦時中の食糧難や、戦前の日本は栄養失調の国だったという事実が、マジで怖いわけではありません。ほんまは「そんなことおこらんやろう」と思ってます。
多分、単にキューバ的暮らしが好きなのです。
でもね、この暮らし、しようと思ってもなかなかできるものではないのですよ。
百姓とはよく言ったもので、一つのものを機械と化学物で大量に作る農家とは違い、種類ごとにの野菜の作り方、果樹の選定、肥料のやり方から生き物の世話の仕方を知らなくてはいけません。さらに収穫の時期、保存法、繁殖法。季節の変わり目を読むための気候、天気の知識。いろんな知恵が必要なんです。
極めつけは強靭な体力と忍耐力。
本当に何もかもができなければ自給的暮らしはできません。
それに、やはりそれをするための土が必要です。
都会のお家が、学校の体育の時間の[ちいさい前に~ならえ!」
ぐらいでいいから、もうすこしゆっくりしてたらいいのにね。