12の視点から英語のことを学んでみます(1)大量のインプットについて

投稿日: カテゴリー: 英語を教える
評価:
門田 修平
コスモピア

¥ 1,728

(2014-11-22)
コメント:タイトルにあるように、ずばり英語上達のポイントを豊富なデータに基づいて科学的に論じた本。個人の経験から書かれた英語習得本は多々あるが、ややもすると相関関係を因果関係と勘違いする危険がある。科学的中庸を持って、難しい理論を分かりやすく解説した良書です。

特定非営利活動法人Creative Debate for GRASS ROOTS の一事業である「OBK児童英語講師自己兼研鑽の会」。

私はそこで活動しています。

 

で、なんと来る3月14日に、OBKでは著者の門田修平先生から本を中心にしたお話しを聞けることになりました! 母語習得に失敗する人はほとんどいませんが、外国語(英語)習得に成功する人もまたほとんどいません。 この悔しい現実を解消すべく、12のポイントから書かれた本です。

 

主催者の一人として、この難しくも価値ある本からより多くのことを学ぶために、まずは本を読んで自分事として考えてみることにしました。 先生をお迎えする事前勉強として、この場で考察をシェアしてみたいと思います。

 

英語学習者として、英語を教える者として、自分の体験を門田先生の本の科学的視点を通して見直します。 ただ、30年以上教えてきましたが、教えることに関しては100人に満たない教室です。まして学習者としては自分一人の体験がベースなので、ここに書くことは小さな世界のお話しなので、一般的なお話しとは言えない事もあると思います。その点をご容赦いただき、一人でも多くの方にお読みいただければとても嬉しく思います。

 


 

英語上達12のポイント

その1 大量のインプットが必要

 

因果関係と相関関係—

 

門田先生の科学的視点が必要な理由の一つとして、因果関係と相関関係の混同を避ける、ということがあります。 先生は、留学や、英語話者の友人を作るのが良いという考えには「それなりに一理ある」と書かれていますが、留学をしたり友人をつくれば英語は上達するということではない、つまり必ずしも上達するわけではないのです。 外国語が上達した人はインプット量が多かった、と言えますが、インプット量が多ければ外国語が上達する、とは言えない。 そこに単純な因果関係があると考えてはダメで、どのような相関関係があるかをきちんと知らなければと思うのです。

 

学習システム—

 

多量のインプットが言語能力になるには、「学習システム」というプロセスが要ります。 学習者、指導者としてそこを理解するのが肝です。 インプットからアウトプットに至る学習システムの中、組み込むべき内容が、具体例や脳の働きの説明を伴って解説されていくのが本書です。

 

理解できるインプット—

 

多量のインプットが必要、といえば某プロゴルファーで有名な聞き流し教材が思い浮かびますが、「あの教材は本当にいいのか?」と考えたり尋ねられたりしたことはありませんか?

 

大量のインプットが有効な学習となるためには、条件があります。インプット理論のひとつとして、「理解できるインプット」であることが必要です。 「十分理解できる素材に、ほんの少し進出学習事項が混じったような」難易度でなければ、効果は期待できないのです。

 

自分自身は、多読指導をするために1000万語以上の英語を読み、聴いたことで50代を目前に念願の英検1級を取得することが出来ました。 理解できるインプットを重ねることで、徐々に難しい構文や語彙を母語のように自然に理解できるようになり、驚いたことに言いたいことが口をついて言えるようになったのです。 個人的には多読・多聴の効用を信じて疑いませんが、これは万人に有効な学習法なのでしょうか?

 

実は生徒への指導では、特に年少者の多読において成果に大きなバラつきがでました。 そのようなことがあったので、小学生の多読指導をしばらく中止していました。 けれどこの本を読んで「理解できるインプット」への考察が甘かったことが分かり、最近になって指導を再開しました。 レベルの設定を細かくしたり、基礎となる読みの力を丁寧に指導することで、今度は生徒が進んで読みたい授業が可能になったと実感しています。 やはり、科学的な理論を理解しないで、成功例を鵜呑みにした指導では結果がでないことがありますし、それを学習者の能力のせいにするのは、先生として絶対にしてはいけないことだと思うのです。

 

ここまで来ると、例の聞き流し教材が本当にいいのか?という質問にも答えがだせるでしょう。 あの教材のレベルが学習者の英語レベルに合っている場合には、多量のインプットとして有効だということになるのです。でも、聞いて覚えたフレーズ以外の表現や意見も言えるのか? ちょっと疑問に思います。 実はさらに、必要なステップがあるのです。

 

アウトプットも大切—

 

大量インプットの必要性の後には、アウトプットのお話が続きます。
アウトプット理論は、インプットにアウトプット活動をプラスすることが必須だと考えます。
その効用が4つ挙げられていますが、ざっくりいうと自分の言語能力や、言葉の成り立ちについて客観的にとらえられる、つまりメタ認知が進むという点でインプットの質を上げるためにも必要だということのようです。
先生はここで、4つの効用について「みなさんはどう思われますか?」と問いかけられています。 答えられるような視点で観察しながら生徒指導ができているのだろうか? 自分の指導を見直す一言でした。

 

練習の重要性–インプットからアウトプットへ—

 

アウトプットを有効利用しつつ、大量のインプットを言語能力として使えるようにするには、沈黙期の効用や脳内リハーサルという段階などの目に見えにくい事を知る必要があります。 また、インプットとアウトプットを結びつけるための様々な練習が、極めて重要だと指摘されています。 

 

1つ目のチャプターでは簡単に具体的な練習方法が上げられていました。
リハーサルと呼べる段階の練習では、
・発音練習
・文型練習
・音読
実際に使う段階での
・要約
・リテリング
・メモから英文をつくる
以降のチャプターでは、これらについてより深くその効用を理解できると思います。

 

勉強会でお待ちしています!—

 

典型的な民間英語教室として、週に一度のレッスンで指導していると、必須である「多量のインプット」でさえなかなか確保できないハードルです。 それだけにインプットの質を上げたいものです。 一方、週に一度とは言え、長い人なら小学校から中学・高校生になるまで指導できるのだから十分な時間がある、とも考えます。 合理的な学習システムを構築し、「外国語学習に成功した人」を送り出すための素地作りはできるのではないでしょうか?

 

何はともあれ、本書に書かれた12のポイントはぜひ理解して日々のレッスンを見直したいと思います。
皆さんもぜひ、ご一緒に学びませんか?

 

詳しくはこちらにて—-

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