宮沢賢治から見えはじめたこと

評価:
小柳 学
中経出版

¥ 1,575

(2004-11)
コメント:賢治の作品を読むことと並行して、賢治そのものを深く知りたいと思って購入。
確かに、読むことがさらに面白くなりそうです。

 

白状すると、賢治の作品で知っているのは

銀河鉄道の夜(アニメのビデオ)
注文の多い料理店 (アニメのビデオ)
猫の事務所 (絵本とオーディオブック)
カイロ団長 (オーディオブック)
祭りの晩 (オーディオブック)
黄色いトマト (オーディオブック)
毒もみの好きな署長さん (オーディオブック)
やまなし (子供の学校の教科書)

これっきりなのです。

賢治ファンがきけば、「それで賢治を読んだだどとというな。」といわれそうですが、
どの本も楽しくてしかたがないので、もうすっかり夢中になってしまっているのです。
(ちょっと賢治の口調を真似てみました。)


ブログをサボっている間に、山はすっかり紅葉のシーズン。
ワンコとオーディオブックを連れて、うろうろするのも贅沢なひと時です。

まだ読みかけの「面白いほど..」にかかれていることをちょっとばらしてみます。

 賢治は「だれも戻れない場所」にいるそうです。

人間は3歳になるころ、それまでの感じ方や記憶の仕方を整理し、違った方法をとるようになるので、それまでのことはほとんどの人が思い出せないそうです。
たとえば、新生児は五感がごっちゃになっており、色ににおいを感じたり、見たものに音をきいたりするそうです。
ところが、賢治はそういう赤ちゃんの「共感」を大人になっても持っていたようです。

こういうことは50年の人生で一度も考えたことがありませんでしたが、今日保護者のかたに早速報告すると、「数字に色が見える人、なんかもいるようですよ。」と教えてくださいました。

 「わからない」はよろしいこと

学校では、「わからない」より、「わかる」が偉いことになっています。
「わからない」ことが怖い人間はいっぱいおります。
ところが賢治は、「考えた人だけがわからないと感じることができる。」ととらえていました。なにより、自分にとって一番わからないのは自分であることを思うと、「ほんとうはよくわからないものだ」ということばは、大変奥が深い、と思うのです。

ちょっとつまみ読みで、こんな風なことを考えさせてくれる本って、うれしくないですか?

解説を先に読んで、頭でっかちに分かった気になるのが自分の嫌なところなので、この本は、もっと賢治の作品を読んでからまた開くつもりです。
まずは、自分の感性で読まないとね。
私は土をいじって、草やカエルと心で話している時間や、木々の間を散歩するのが一番すきなのですが、そんな気分と賢治の世界はつながっていくと思いたいのです。

ポプラの葉っぱは、一番に散ってしまいました。
湖が光るのは冬が来た印。
太陽が少ない時期、鏡のように光を反射して、もう一つのお日様のプレゼントです。

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